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2016年に「ええ職人ドットコム」に登録していただいた、京都府城陽市にある、「田中たたみ店」さんを訪問し、取材をお願いいたしました。
お父さんの田中正さんと息子の裕司さんとは、毎日色々な個人宅にお邪魔し、見積をし、引き上げ、工場へ持ち込んで、すぐに畳の表替えを行い、その日の内に納品し、畳をはめ込みます。
お二人の信条としては、そのようなサイクルで動いている中で、畳の材料としては、熊本産の畳を必ず使用することです。
お二人には、熊本県産のイ草を使用している、色々な種類の畳表を並べてある前で、写真に納まっていただきました。
お父さんの正さんは、熟練の畳職人さんです。
息子の裕司さんは、はっきり物を言う、明るい好青年です。 |
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今回の取材で、お父さんの田中正さんは、作業台の所で、約1メーター四方の畳に縁を手縫いで縫い付けていました。
よく聞いてみると、神社の神主さんが座る座布団だとの事です。
取材が済んで後日色々聞いてみますと、神社にしろ、お寺さんにしろ、そのしきたりによって、様々な大きさ・形があるらしいです。
茶道の部門でも変わった注文があるとのことです。
畳のように、京間や江戸間などある程度大きさは、分類できますが、神社やお寺さんの座布団の注文は、一品一様になるとの事です。
そのため、必ず手縫いで作業にかかるとの事です。
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神社の宮司さんの座布団に縁(へり)を縫い付けるために、縁の下の保護紙を外し、熊本県産の畳に合わせます。
畳の縁(へり)を手縫いするのは、大変な力とコツがいるそうです。
畳がだぶつかないように、しっかり引っ張って縫い付けることが大事なのです。
そのため、お父さんの田中正さんは、気を引き締めて作業にかかります。
色々職人さんとお会いしていますが、お父さんの正さんの人懐っこい笑顔は、ベストスリーに入ります。
ふくよかなな笑顔は、他の人を自然と和ませる力を持っています。
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畳職人の田中正さんは、畳の筋目をしっかり読んで、上で仕上げた縁(へり)の模様と同じように合わせていきます。
ただ適当に手縫いするのではありません。
長い経験の中から、畳の筋目と縁との合わせをキッチリとやっていきます。 |
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神社の宮司さんの座布団は、手縫いの工程が佳境に入っていきます。
畳の筋目と縁の模様を合わせるための真剣な作業に入っています。
田中正さんに色々聞きますと、茶道の名門からは、5枚の座布団を重ねて、周りは、ほぼ円形にしなければならないらしいです。
お寺さんにしろ神社にしろ、一品一様で作り上げていきます。
お寺さんでも、宗派が違うと、形や大きさが違うらしいです。
大変、興味のある奥深い感じがしてなりません。 |
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いよいよ畳職人の田中正さんの手縫いの作業が始まりました。
田中正さんの歯を食いしばった表情でお判りいただけると思います。
普段のお客様からの注文の畳の表替えは、最初にCOMにしっかり設定してやれば、後は畳の移動が少し大変ですが、後は機械が自動でやってくれます。
手縫いの場合、ましてや一品ものであれば、よほど注意をしていないと、いけません。失敗は許されません。
息子の裕司さんは、畳の表替えの機械を操作しておられました。
親子で畳に打ち込む姿を拝見して、大変感動を受けました。
畳の事なら、何でもご相談してみて下さい。畳職人の田中正さんや息子の裕司さんが、丁寧に相談にのってくれます。
宜しくお願い申し上げます。 |
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