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前項に引き続き金市屋・吉祥院店金市さんの障子張り替えを御紹介致します。
金市さんの手により古い障子が剥がされて、障子戸の水洗い掃除も済ませた障子戸を、作業台に寝かせて、障子紙を貼る前の最終テェックがおこなれます。
ひと通りの掃除が終わった後、障子戸の桟 「縦框(たてがまち)・付子(つけこ)組子(くみこ)などの骨組み」に固着して残留した糊を目の細かいスポンジヤスリで削り取リます。
この後、障子戸の歪などがないかをひと通りチェック。 |
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障子戸の枠がチェック完了となると次は糊づくり。
糊は襖張り替えで使った物と同じですが、少しだけ固め(水分が少ない)にするそうで、水分量の調節をしています。 ※霧吹きで水を足していますが、襖張り替えから時間が経っているので糊が濃く硬くなっているためです。
刷毛を使って桟 の付子部分に糊を置いて行きます。 |
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障子戸四辺の付子に糊を置いた後、組子にはスポンジローラーで糊を塗っていきます。 ローラーで塗布することで糊をを均一に手早く塗る事ができるそうです。
付子に糊をたっぷりと置いて、組子には薄っすらと塗り伸ばすのが綺麗な障子張りにするコツなんだか。
付子の四隅にははみ出るくらいに特に多い目に糊を置きます。 もちろんはみ出た糊は拭き取りますのでご安心を!
※付子は糊を塗る為につくられた障子の木枠の凹んだ部分です。 この付子がない障子戸や障子窓もあり、そちらは障子紙の位置決めやカットなどに少し手間が掛ってしまうそうですが、その手間代の上乗せなし!
京都の「金市屋」では一枚¥1,500からのリーズナブル料金で障子張り替えをご提供しています。 |
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ロールで用意された障子紙を作業台の上に置いて障子戸の大きさに合わせて切り出し作業。
先ずは必要分の障子紙を繰り出して障子戸の上に静かに被せ置きます。 その後、上端部分で大まかな位置決めをしたら、下端の障子紙をカットしますが、この時に四辺ともやや大きめのサイズで切り出しします。
ロール状の巻き紙から一枚の大きな紙となっっているので、巻き癖の力で剥がれてしまわないように癖を伸ばしなが作業するのが注意点です。
続いて障子紙を付子へ圧着してからカットする工程。
この時は付子のある障子戸でしたので、面と角の段差を利用して竹ベラで正確に見当を付けていきます。
糊の水分を吸ったと同時に、竹ベラで段差に合わせて押さえたので付子の型がくっきりと浮かび上がります。
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四辺全ての貼り付けが終わると、いよいよカットの作業へ移ります。
この工程では地べらと云う定規の代わりになる道具と切れ味の良いカッターを用います。
既に桟には段差の型が浮き出ていますが、この時も付子の段差に地ベラをあてがって、それを定規代わりとしながら正確なカットをしていきます。
この作業でカッターの刃先をケチると、紙質によっては紙を傷めてしまったりするトラブル原因になるそうで、ポキポキと刃を折って惜しみなく新しい刃先でカット作業が進められていました。 |
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最後に余分に塗った糊を拭き取る作業です。
ここでも地ベラが活躍! 付子の段差の角に地ベラを当てて、貼り終えたばかりの新品の障子紙を汚してしまわないようにガードしながら糊を拭き取っていきます。
プロの障子張り替えならではの、テクニックと配慮と感じましたが、金市さんいわく「テクニック・配慮」の言葉を使うまでもない当たり前の作業工程だそうです。
ただしこの一手間があるなしでは月日が経過した障子に染みがうき出るなどの変化が顕著に現れるそう。 |
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障子張り替え完了のビフォー・アフターは一目瞭然の違いが現れていますね!
普段の暮らしの中で時間経過とともに徐々に変色・劣化していく障子紙なので、これだけの色の差が発生しているのに気づかないまま過ごされている事が多いと思います。
張替え後の結果が分かりやすく違いも大きいので、障子張り替えは満足度も高いのではないでしょうか?
例えばホームセンターに障子紙と道具を買いに行き、作業のできるスペースを用意して、いざ障子の張り替え作業に! いえいえ、先ずは古い障子を綺麗に剥がし、当然水を使いながら洗浄・乾燥の後、ようやく作業台で、今回の冒頭からの作業をしなければなりません!! かなり面倒なのは想像に難しくないと思います。 でもプロの障子張り替え職人に頼むと値段が・・・と云う方は、先ずは京都市南区「金市屋」の金市さんに御見積の御以来を。
回収・障子張り替え・納品・設置までをさせて頂いて、障子一枚¥1,500-からの低価格で御提供との事です。
取材撮影;末光誠
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