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ここは京都市伏見区にあります 一般住宅のリノベーション工事の現場です。
今日はこちらのお宅で コンセントや照明などの家庭内電気機器の設置工事を 同じく伏見区の 『 城台電工 』 の電気職人 城台一寅さんが 施工されると聞き、取材のためお邪魔しました。
約束のお昼休憩明けに到着して城台さんに挨拶をすると 夏場ということでまず蚊取り線香に火を点けられました。
家の内装工事の大まかな部分はすでに終わっていて これから城台さんのような電気屋さんや 水道、トイレなどの設備屋さんがこれから携わり いよいよ完成に向けて進んでいきます。 |
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城台さんは25歳の時に 奥さんの伯父さんのお手伝いで電気屋さんの仕事を始められ 様々な現場を通して技術と経験を積み重ねてゆき 平成17年に 『 城台電工 』 として独立されました。
『 地味な作業ですが・・・ 』 と仰ってましたが 確かに電気屋さんの仕事は 大工や塗装、屋根などのように目に見えての変化が小さい作業ですが 今やオール電化とも言われる時代。
電気がなければ快適な生活ができないほど 電気と暮らしが密接に関係しているため 第一種電気工事士の資格を持たれた城台さんのような職人さんは いつの時代にも必要不可欠な存在です。 |
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城台さんの電気職人としてのこだわりの1つがネジの締め方です。
今でこそ電動工具のような便利なモノがありますが 城台さんが電気屋さんを始められたころはそのような道具はなく 自らの手でドライバーなどを使って施工されていました。
コンセントなどを締めるときも多くの電気屋さんが インパクトドライバーのみで施工されます。
しかし、ネジを締めたり、穴をあけたりできる便利な道具ですが パワーがある分 締めすぎてしまうという難点があります。
実際にはただ締めればいいというわけではなく 固すぎず、緩すぎない絶妙な締め具合を出すため 城台さんはドリルドライバーも使って調整されているわけです。 |
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今回は一般的なコンセントカバーではなく 『 ラフィーネア 』 シリーズのモノが使用されています。
ラフィーネアはフランス語で 『 上品な 』 『 洗練された 』 という意味の通り シンプルな造りながらもモダンで あらゆる空間にマッチしやすいデザインになっています。 |
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こちらはトイレのコンセントを取り付けられているところです。
トイレは便器が設置されてしまいますと 狭くて取り付けにくくなってしまうので できるだけ先にコンセントの設置をされるそうです。
この時は城台さんと趣味の話をしていて 城台さんは普段 仕事ではキビキビと決められた時間の中で 作業を進められていることから 休みの日はゆっくりと時にはボーっとしたり 好きな映画を観たり、ワンちゃんのさんぽなどしてリフレッシュされています。
※ ちなみに好きな映画のジャンルは刑事モノだそうです。 |
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ひと段落して小休憩をしたあとに 今日のメインとなる分電盤の取り付けをされる城台さん。
みなさんは電気屋さんの仕事が 今日だけだとお思いではありませんか?
実は今回のリノベーション工事の場合 まず大工さんといっしょに仮設工事からいっしょに入り その後 撤去、そして関西電力への申請・・・と 今日の作業に至るまでに多くの手間がかかっています。
電気屋さんの仕事は大工さんとは違って 目に見えて大きな変化が分かりにくい施工でも やっていることは住む人の希望の光を灯す 生きていく上でとても重要な役割を担っているのです。 |
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一般家庭の分電盤に接続する配線でもこれだけあります。
城台さんはその1つ1つしっかりと確認しながら 安全性と快適性を意識した施工を心掛けておられます。
今や私たちの身の回りにあるほとんどのモノに電気が使われていて 切っても切れない、かけがえのない 現代人にとって電気のない暮らしは想像できません。
その陰には城台さんのような職人さんがいらっしゃいます。 |
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大手ハウスメーカーや工務店、電気店では すべての作業が分業制で 販売(説明)する人、施工する人がそれぞれ違います。
城台さんのように個人の電気屋さんに相談すれば 城台さんが相談に乗ってくださり 城台さんがお客様の声を聴いた上で施工してくれます。
同じ人が全てを担うという この差はとても大きく 職人さんも同じ人間ですから お客様の想いを親身になって聴けば 施工するときの気持ちの入り方が変わってくるのは明白です。
職人さんを探すのではなく、一人の人間として あなたの街の電気屋さんを探してみてはいかがでしょうか? そんな職人さんが 『 京都というまち 』 にはいらっしゃいます。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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