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先のタイルカーペットの施工に引き続き、「インテリア浩(こう)」九鬼さんによる、京都市上京区のクッションフロアの施工も取材させて戴きました。
ここは水廻りフロアでもある為か、かなりの経年変化を感じさせる状態ですしたが、ストロボを使用して光を回した撮影なので、写真では汚れ具合を感じないかも知れません・・・が、九鬼さんいわく「相当に使い込まれた状況」との事で、床材のめくれ・黄ばみ・傷等、素人の私目線でも「この床材、長年頑張ったんやろ〜なぁ」と思う 雰囲気でした。
で「クッションフロア」とは何か?と謂う所から御説明させて戴きます。 ●クッションフロアは表面が厚手のビニル素材・裏面には緩衝材が付けられた素材でできた、床に接着剤で貼り付け施工する床材です。 ●ビニル素材なので水分に強いので、キッチン・トイレ・洗面等の水廻りに使われる事が多く、近年ではダイニング等の床をクッションフロア(以下、CF)にする事もあり、かなり重宝されている材料です(九鬼さん談)
先ずは、部屋の長辺に長さを合わせて用意したCFを大まかに敷いていきます。(この時、なるべく加工(カット処理)の少なくて済む壁面を基準に敷いていきます)
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接着剤を塗布する前に基準側面の加工作業を施していきます。
CFを施工する部屋はキッチン・バス・トイレ・玄関が一緒になった部屋なので、それぞれの間口に対して加工が必要になります。
九鬼さんは「幅定規」と呼ばれる専用の道具とカッターを用いて、枠や敷居に対して正確に「形合わせ」を行いCFをカットしていきます。
やはり「見た目の出来具合」は、この辺りの出来不出来に左右されやすいので、細かな部分にも神経を使われて作業するとの事です。⇒実際は目に見えない部分の下処理もかなり大切なんだそうです! |
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なるべく加工の少ない壁に面した床・・・と言えども私からすればその面が終われば休憩!ってぐらいに、細かいカット処理をされています。
こうやって改めてみてみると、部屋の間口や敷居ってのは凸凹が多いのだなぁ〜と、変な所で感心したりしました。
床材の施工作業は見ての通りの体勢なので、この作業に慣れた九鬼さんも「腰イタ〜ッ!!(>_<)」と、言われながらの作業です。 |
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基準になる壁面の凹凸に対してカットが終わった様子です。 とても美しい仕上がりですね!
画面上方向の壁面に対しては、先ず基準面を貼り付けた後に切り揃えのカット処理が行われますので、余分のCFが随分と残っているのがわかります。
と言っても敷きっぱなしでは無く、扉枠や敷居の凹凸に対しては、予め切り込み加工は施されているのがご覧に慣れるかと思います。
この切り込み作業を施す事によって、凸凹に対してCFの逃げをつくり、寸法が出されていない部分の後の加工作業がしやすくなります。
京都市上京区 クッションフロア施工のつづき
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基準面のCFに対してカットの作業が終わると、敷き詰めたCFを一旦取り外し、フロアセメントと謂う専用接着剤を床の半分に塗布していきます。
クロスセメントは均一に塗り広げないとCFの仕上がりが凹凸になる原因になるので、素早く、丁寧に、九鬼さんの熟練の作業が行われていきます。
クロスセメントの塗布が終わると、再びCFが敷き広げられました。
先程、壁の凹凸に対して切りそろえたCFを、その壁に正確に合わせられたのを確認してから、ヘラでCFの下の空気を外に押し出すようにしながら素早く圧着していきます。
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片面の圧着作業が終わると加工の多い側の施工作業に入ります。
基準面以外はCFが多目に残されて敷かれているので、全ての壁面に対して切り揃えのカット作業を行わなければ行けません。
ここで使われるのは特殊な専用のカッター「スーパーホープ」とCFをしっかり押える為のヘラです。 スーパーホープは、カット前のCFの上に乗せて、床と壁面に対して体重を利用して押さえつけながら横に滑らして行くと、床と壁の角の部分に当たるCFがカットされ切り揃えられる道具で、採寸するよりも手軽で、尚且つ現場の状況に正確なカット処理が行える「職人の為の道具」です。
※写真中央:スーパーホープを使用したCFのカット。 床面のCFが残されカットされた上部分は取り除かれる。
距離の短い部分はヘラを壁と床の角に当てながら、カッターで切りそろえて行くのですが、もちろんこの作業の方が数段に難しく「施工さた職人さんの腕」が仕上がりに表れるそうです。 |
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フロア全体のCFのカットと圧着作業を終えて、最後に洗濯機の排水パイプを通す為の穴を開けます。
コンパスの罫書きを使用して排水口に合わせた円を罫書いた後、その罫書き線をカッターでなぞり切り揃えていき、最後の仕上げが終了しました。
施工前(前ページ)と施工後を見比べて頂けると、施工終了後の部屋の雰囲気が一辺しているのがお判り戴けると思います。
壁紙(クロス)から床材(カーペット・クッションフロア)までトータルで施工された、統一感のあるキッチンフロアが完成しました。 |
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この日、朝から夕方まで九鬼さんのお仕事を取材させて頂き、改めて専門に仕事をされている職人さんの「技」に敬服の念が生まれました。
「技」を生むのは職人さん個人の「心」であり、「全ての現場を自分の家やテナントと思いながら作業にあたる」と言われる、九鬼さんならではの「心の反映」が一つ一つの作業に現れているのです。
九鬼さんが今回施工された京都市上京区のこの部屋に、新しく入居される方はどんな方でしょうか?きっと新年度からの生活をこの部屋で過ごされるのだと思います。 もちろん顔も知らない方の事を思い浮かべ「気持ち良く新生活を始めてもらえるように」と丁寧なお仕事をされました。 九鬼さんはそんな風にお仕事に携われながら「気軽にご連絡していただける職人であり続けたい」ともおっしゃります。
京都・滋賀・大阪で内装工事をお考えの方は、是非とも「インテリア浩(こう)」の九鬼さんへ御相談を御薦めさせて戴きたいと思います。
取材撮影;末光誠 |
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