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今日は岐阜県羽島市を拠点に 愛知県・三重県と活動されています 『 建築業 奥村 』 の代表 奥村 猛さんの リフォーム工事の現場にお邪魔しました。
今回は吹抜けに 梁を架けて無垢材を床に貼る施工の取材です。
会った瞬間からニコニコ顔で挨拶していただき その優しいオーラに初対面の緊張も和らぎ 今日の取材が上手く進んでいくのでは?? という予感。
写真では分かりにくいですが 僕自身がこれまで取材してきた職人さんの中でも 一番と思うくらい小柄な大工さんでした。
そんな奥村さんがどのような仕事をされるのか? これからひとつひとつご紹介させて頂きます。 |
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こちらが2階から4階部分まで吹抜けになっている箇所です。 ( 上画像 )
外枠の梁はすでに架けてありましたが これから真ん中部分にも梁を2本架け無垢材を床に貼っていきます。
まず奥村さんは掃除を兼ねて 施工現場を作業のしやすいように移動、整理されていました。
奥村さんは高校卒業後、 自動車関係の職に就かれていましたが お父さんとお兄さんが大工職人として活動されていて
当時、人手不足だったこともあり そのお兄さんの誘いもあってこの世界に入られました。 |
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床を支える重要な梁とあってかなりの重さです。
そんな梁を この現場を手伝っている大工仲間の辻井さんと 奥村さんの二人で声を掛け合いながら慎重に持ち上げ 梁同士を合わせていきます。
新築と違い、リフォーム工事の場合は 元々あった木が地震や湿気などの影響で反ったり歪んだりするため なかなか思い通りにすんなりいかないこともあるそうですが
そこはお二人の40年以上のキャリアで培われてきた経験で 見事にカバーし何事もなく梁を架けることができました。
その後、梁をハンマーで叩いて床面をキッチリと合わせます。 |
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梁架けが完了すると 無垢材を合わし、墨付け、そして刻み そして一枚目を貼るとご覧の通り 柱との隙間が一切なくビッシリと貼られています。
今でこそ こうやって当たり前のように仕事ができる奥村さんですが 大工を始めた当初は 仕事に対してとても厳しかったお兄さんの影響で 自分には向いていないと 何度も辞めようと迷っていた時期があったそうです。
しかし、当時 支えてくれた人のおかげで その壁を乗り越えることができたと仰ってました。 |
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更に休憩の合間にお話を伺うと・・・
教えてもらうのではなく見て覚える。 兄の仕事に対する厳しさ。 20代半ばまではそんな環境の中 毎日自分のやった仕事を振り返っては考え また現場でやって考える・・・
その繰り返しで一歩ずつ着実に大工道を歩んでいき ひとつひとつ目に見える結果として形になったことで 不安や迷いが自信に変わっていったそうです。
続けることで辻井さんのように信頼できる大工仲間と出会い 一人では対応できない建築現場で共に お客様の住む家を造ってこられました。 |
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梁を架けた後の無垢材の貼付は もう少し大きな一枚板を貼っていくモノだと思っていましたが ご覧の通り、側面が凹凸になった板を貼り合わせていきます。
合わせ、墨付けをして、刻んで 貼付用の強力なボンドをつけて 無垢材を貼り付けた後、ビスで固定していきます。
この作業のポイントは 一枚目をまずキッチリと貼ること。
そうしないと後の板がどんどんズレていくことになり 床板になる大切な部分ですので正確性が求められます。 |
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そんな繰り返しの作業を 奥村さんと辻井さんは目で見て、耳で聴いて確認し合い 一枚ずつ無垢材を貼っていかれていました。
ちなみに辻井さんも 奥村さんと同じく高校卒業後 大工さんとなってこの道一筋の職人さんです。
お二人は知り合って15年ほどになり 朝早く起きて作ってくれた奥様のお弁当を持参されています。
しかも、奥村さんはお菓子が大好き。
15時の休憩時には必ず甘いモノを食べて オンとオフを上手く切り替えることで 集中を切らさない良い仕事を最後までと繋げてらっしゃいます。 |
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午前中から始まったこちらの施工も 夕方にはこうやって無事に完成しました。
元々吹抜けだった為、単なる空間だったモノが これからはこちらのスペースも部屋の一部となって よりワンフロアが広く使えるようになりました。
こちらのお宅はまだ カウンターを取り外したり、檜の腰板を貼る工事など 他の部分のリフォームがある為 それは別の記事で完成までの模様をご紹介致します。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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