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千葉県の大工、「タスカット」の林さんが今回、作業を行なうのは、成田市のIさん宅。トイレリフォームの工事です。 写真は作業前の状態。築25年の住宅ですが、建築当時の標準的なサイズである、幅910mmのトイレです。設備が老朽化しているだけでなく、敷居が3〜4cmほど立ち上がっていて、出入りするときに足を引っ掛けてしまいそうです。 作業はトイレ本体の入れ替えやクロス張替え、そして室内の拡張。敷居もなくして、バリアフリー仕様にします。トイレは毎日使う場所。そして憩いの場でもあります。どんな仕上がりになるのか、とても楽しみですね。 |
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作業にかかる日数は5日。1日目は解体、2日目は午前中に配管工事、午後に解体作業の続きを行ないます。3日目はボード貼り、4日目はクロス貼り。そして最終日の5日目にトイレ本体や手洗い器、タオルかけなどが取り付けられます。ちなみに、配管工事やトイレ本体の取り付けは水道屋さんが行ない、クロス貼りはクロス屋さんの作業です。 お伺いしたのは2日目の午後。作業道具満載の軽ワンボックスで、すでに到着していた林さんは、にこやかに応対してくれました。打ち合わせ中に見せていただいたのは、以前行なったキッチンリフォームの写真。豊富な経験をおもちの、信頼できる大工さんです。 |
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1日目の解体作業が済んだ状態から、本日の作業がスタート。ボードが撤去され、出入りに邪魔だった敷居も外されていました。 施主がお住まいになられる状態での作業ですから、ゴミが散乱しないようにしっかり養生してあります。1日目の作業で出たゴミは、ほぼすべてが片付けられ、作業しやすい状態になっていました。狭いスペースでの作業だけに、こうした気配りが大切なんですね。 |
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今回のトイレリフォームのキモといえるのが、トイレの幅を広げる工事。面倒な作業なので、あまり請け負う大工はいないそうです。しかも、Iさん宅はツーバイフォー工法。在来工法の住宅より作業量が大幅に増えます。ですが、林さんは「せっかくリフォームするなら使いやすいトイレにしてあげたい」と、この拡張工事を提案したそうです。 仕切り壁の縦枠をカットして、幅を確保。まずは電動丸ノコで枠材を縦に切ります。電動丸ノコにはホースが付いていて、その先には粉塵を集める装置が。これがあるおかげで、粉塵が飛び散ることを防げるんですね。 |
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丸ノコで大まかにカットしたあとは、カットブレードソーで細かい部分をカット。バールを使って、カットした部分を取り外します。ノミで切断面を平滑に仕上げて、縦枠の切り取り作業は終了。左右の壁にある8本の縦枠すべてをカットするのは、ベテランの林さんにとっても、なかなか根気のいる作業です。 今回の作業では、右側を50mm、左側を40mm削って、幅1,000mmほどに広げます。わずか90mmの違いですが、それがどれほど使い勝手をよくするのかは、最後の写真を見ていただければわかるはず! |
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続いて下枠のカット。縦枠との接合部分をノミできれいに仕上げた上で、下枠に墨線を入れ、カットブレードソーで上から切れ込みを入れていきます。 一部の作業が終わるたびに、林さんは箒で床を掃除。出たゴミは、屋外に置いたゴミ袋に入れて処理します。作業がしやすいように、また、施主の生活スペースにホコリを撒き散らさないようにとの気配りは、ベテランの大工さんならではです。 |
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切れ込みを入れた下枠を、今度は横からノミで削っていきます。林さんはバールやゲンノウなど、作業中に使う道具を常に手の届くところに置いて、効率よく作業していました。 右下の写真は、配管の周囲。電動工具では作業しにくい、こんな場所も、ノミを駆使してきれいに仕上げていきます。 |
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左側の下枠は、電動丸ノコで大まかに切れ込みを入れてから作業。カットブレードソーで細かい部分をカットし、やはり最後はノミで仕上げます。下枠が従来の床と面一(つらいち)になることで、床がきれいに仕上がりますね。まさにプロの仕事です。 本日の作業はここまで。翌日にボード貼りを行ない、続くクロス貼り、トイレ本体などの設備取り付けは、他の業者さんにバトンタッチします。私が再度、この現場を訪れるのは最終日。林さんが最後の仕上げ作業を行なう現場です。 |
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一日の作業の最後は、ゴミの片付け。すべて終わってから処分しても良さそうなものですが、現場にゴミが残っていると、施主に不快な思いをさせることもありえます。作業終了間際に作業仲間と連絡をとり、ゴミを運んでもらう林さん。こうした気配りが、施主との良好な関係につながるのでしょうね。 トイレリフォームに限りませんが、施主が住まわれている状態でのリフォーム工事では、信頼関係がとても重要です。なにせ、大工さんが自分たちが住んでいる空間に出入りするわけですから。林さんのような気配りができる大工さんであれば、施主も安心できますね! |
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最終日、ほぼ仕上がったトイレを見せていただきました。工事前の写真と比較すれば、広々として、快適なトイレになっていることは一目瞭然! 幅が広がったことでカウンターを取り付けることができ、手洗い器やタオルかけも格段に使い勝手がよくなっています。高かった敷居がなくなり、バリアフリー化も達成。今後、施主がお歳を召しても安心して利用できるトイレになりました。 最後に細部をチェックしつつ、仕上げ作業を行なって、さらに扉や窓などを清掃して、今回のトイレリフォームは完了。施主のIさんも大満足!の仕上がりになりました。 |
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