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塗装工事の下地調整

ケレンて何のこと?
ペンキ屋さんは、主に建物の外壁や目に見える箇所の塗装を担当しています。
新築でもリフォームでもペンキ屋さんは大変活躍しています。
そんなペンキ屋さんが行う作業工程に『ケレン』と呼ばれているものがあります。
ケレンは主に建物のリフォームの際に行うのが一般的です。

【ケレンとは】
ケレンとは、建物の鉄部分の汚れやサビをヤスリなどで落とし、次におこなう塗装の密着度を上げるための作業を指しています。
木材と違い、鉄はどうしても塗装がつきにくく、そのまま塗装してしまうことで、ヒビや剥がれの原因になってしまいます。
特に年数の建っている鉄部は下地がサビてしまっている事が多く、ケレンをおこなってからでなければきちんと塗装することができません。
また、ケレンを適当にしてその上からペンキを塗ってしまうと、せっかくの塗装が2〜3年ほどで剥がれてしまうことがあります。
プロの塗装屋さんはこれを充分理解しているため、ケレン作業に手を抜くことがありません。
素人の方で自宅の鉄部分を自分で塗装する方もいらっしゃいますが『ケレン』を知らずに、そのまま塗装してしまう事が良くあるようです。
せっかく塗装したのに、1年ほどで剥がれてしまったなんて経験はありませんか。
ケレンはいわゆる下処理のこと。
下処理をしっかりやらなければ鉄部分の塗装はすぐに剥がれてしまうことを覚えておきましょう。

最近住宅の主流となっている鉄素材『ガルバリウム』は耐久性が高いことで知られています。
ガルバリウムは主に外壁や屋根に使用される素材なのですが、実は塗装をはじきやすい素材としても知られています。
そのため、簡易的なケレンではすぐに塗装が剥がれてしまうので、しっかりとケレンを行う必要があります。

ケレンには4つの種類があります。
1種ケレンから4種ケレンまでなのですが、1種ケレンは一般住宅で行われることはほとんどありません。
一般住宅塗装で最もしっかり行うのが2種ケレンです。
ワイヤーブラシやワイヤカップ、ディスクサンダーといった工具を使用します。
鉄部分のサビがかなり酷い場合に2種ケレンがおこなわれます。
鉄部分の状態が最も良い場合に行うのが4種ケレンです。
主に紙ヤスリを使用して行うのですが、サビを除去するのではなく、塗装の下地を作ることが目的です。
2種ケレンと4種ケレンとでは作業工数に大きな差があります。
例えば、床面積30坪の屋根を塗装するとします。
その際に4種ケレンであれば数時間で作業が終わる場合もありますが、2種ケレンを行うと数日間の作業工数になるケースもあります。
同じ塗装をするのでも、費用が異なるのは下地の状態により必要となる作業が違うからだと理解しておきましょう。
下地調整(素地調整)の方法
下地調整や素地調整の方法を説明する前に、どのような作業をそう呼ぶのか知っておかなくてはなりません。

【下地調整とは】
下地とは、素材に一度塗装した面を指しています。
そのため、下地調整とは、その面の凹みや傷などを調整する工程を指しています。

【素地調整とは】
素地とは、一切塗装されていない素材部分を指しています。
塗装が剥がれると、素材が露出してしまいます。
その露出してしまっている部分を素地と言い、素地調整とは下地調整同様、その面の凹みや傷などを調整する工程を指しています。

素地・下地調整は、金属だけでなく、木材やコンクリート面でもおこなわれます。
素材によってその方法に違いがありますが、どれも目的は同じです。

【金属の素地・下地調整方法】
金属の素地・下地表面はサビや油脂、汚れなどが付着しています。
それを除去せずに塗装してしまうと、塗装がきちんと密着せずにすぐに剥がれてしまったり、塗装したにも関わらずサビが出てきてしまったり不具合を起こします。

@第一工程:脱脂
金属表面に付着している油脂を除去するために脱脂をおこないます。
付着している油脂の種類によって脱脂方法が異なります。

A第二工程:サビ落とし
金属の素地や下地にはサビがつきものです。
それらサビを落とすために行われるのが『ケレン』です。
サビが酷い場合は電動工具などを使用しますが、それほどでない場合は紙ヤスリなどを使用します。

B第三工程:化成皮膜処理
サビを落とした後におこなうのが化成皮膜処理です。
化学的に金属の表面を処理することで、素材自体の耐久性や保護能力を作り出します。
りん酸塩処理法やクロメート処理、陽極酸化処理やエッチングプライマー処理など、化成皮膜処理には幾つか種類があります。
目的に応じて行われるため、それを採用するかは塗装屋さんが決めていきます。

【木材の素地・下地調整方法】
木材の素地・下地調整方法は、金属とはちょっと違います。
木材の素地・下地調整の目的は木材自体の持ち味を引き出すことです。
素地や下地の状態を把握し、凸凹部分を平らにしたり、塗装がしっかり馴染むようにします。

建物に使用する材料の素地・下地調整は、塗装をする前の重要工程です。
それをやらずに塗装をしてしまうと、美しい仕上がりにならないどころか、塗装がすぐに剥がれたり割れたりしてしまいます。
塗装屋さんはその工程をしっかり行うことで、お客が満足する仕上がりを実現しています。
塗装するのに相応しい素地・下地を作ることができるのは、やはりプロである塗装屋さんなのです。

コーキングの種類と使い分け
家や建物を建てる際に必要となるのがコーキングです。
材料と材料の隙間を埋めることで雨風が中に進入することがなくなります。
そんなコーキングを施すのはペンキ屋さんの仕事です。
コーキングはホームセンターなどで販売されていますが、素人がやっても上手くできるようなものではありません。
ちょっとした箇所にコーキングを施すのであれば問題ないのですが、広い面積である場合は素人では中々難しいものです。

建物に使用するコーキングは主に3種類あります。
【コーキングの種類と用途】

◎変成シリコン系コーキング
変成シリコン系コーキングはコーキングの中で最も優れていると言われています。
耐久年数は10年〜15年と非常に耐久性に優れていることから、外壁や窓枠、屋根、配管などさまざまな場所に使用することができます。
現在、建物のコーキング材として最も選ばれていると言って良いでしょう。
さらに、塗装前でも塗装後でも問題なく使用できるのでとても便利だと言われています。

◎ウレタン系コーキング
ウレタン系コーキングは良くホームセンターで見かけると思います。
耐久性に優れているのですが、紫外線に弱いといった弱点があるため、外壁や屋根など建物の外観箇所には向いていません。
そしてもう一つ弱点があります。
それは埃が付きやすいという事。
素材性により自ら埃を吸い付けてしまうため、塗装する前にコーキングを施さなくてはなりません。
そんなウレタン系コーキングは、コンクリートや木材、金属、配管部分に使用することができますが、あくまで紫外線の当たらない、建物の内側が適しています。

◎油性系コーキング
油性系コーキングは、皮膜を形成するため表面は硬くなるのですが、内部は硬くならずに柔らかいままになります。
こちらは主に室内での使用になります。
窓枠やドア枠、各種パネルやボードの繋ぎ目などに使用されることが多いコーキングです。

上記3種の他に「アクリル系コーキング」があります。
アクリル系コーキングは耐久性がないため、現在ではあまり使用されることはありませんが、主に天井と影の隙間や、サッシと壁の隙間、そしてモルタル壁のヒビ部分に使用されてきました。

このように、コーキング材は建物に欠かすことのできないものです。
しかし使い分けを間違ってしまうと、後々大変なことになってしまいます。
本来建物の内側に使用するコーキングを外観箇所に使用してしまうと、すぐに劣化してしまい雨や埃が家の中に入り込んでしまいます。
ペンキ屋さんは、それらコーキングの性質をきちんと把握しているから、その部分に最適なコーキングを使用することができるのです。

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