|
|
『 恥ずかしいですねぇ・・・ 』 取材と分かっていても、いざカメラを向けると いつもと違う雰囲気にとまどう岡田さん。
ここは香川県高松市にあります 2階建てのアパートの一室です。
今日、ご紹介するのは 『 迅速な施工をいたします 』 というキャッチコピーで 香川県高松市をメインに活動されています
『 おかだ内装 』 の 岡田卓さん による クロス ( 壁紙 ) の貼り替え工事の現場に伺いました。 |
|
|
寸法を測ってクロスのカットするための専用の機械ですが 岡田さんは一般的な電動式ではなく 様々な現場を通して電気が通ってないこともあった為 手動式で糊付け、裁断をされているそうです。
広島県出身で あの元 猿岩石の有吉の二年後輩という岡田さん。
その高校を卒業後、パスタ屋さんや居酒屋など 飲食業や溶接工としても働いておられましたが
結婚を機に香川県に来られ その時に仕事をどうしようか探していた時に クロス職を見つけ始められました。 |
|
|
その後、リフォーム総合会社に就職。
リフォームやリノベーションなど 様々な現場に携わっていき技術だけでなく 事務手続きなどの内勤業務まで経験されました。
クロス職人としての経験もあったことから 本格的にクロス業務に携わる中で 当時、岡田さんにとって大先輩との出会いがあり
職人としての技術をより深く細かく 身に着けていくキッカケになったそうです。 |
|
|
岡田さんのこだわりを教えてもらいました。
こちらのアパート、壁と壁の端が直角になってなく 少し傾斜になった造りになっているため クロスを貼るときは何度も抑えて貼り付けしないと 時間の経過とともに浮いてくるため そのことを想定しながら施工するということ
そして、下地材の繋ぎ目に塗られたパテの上には クロスのジョイント ( 繋ぎ目 ) 部分を持ってこず あえてそのラインからずらすことで こちらも時間の経過とともに動く可能性のある下地材によって クロスの開きを最小限に抑える効果があるそうです。
見た目のキレイさだけでなく 『 常に先を見据えて施工する 』 というのが大切なんだと お話を聴いていて感じました。 |
|
|
岡田さんは 先ほどのクロスの糊付け、裁断の手動式以外にも はじめはたくさんの道具を持っておられたそうですが
幾つもの現場を携わっていくうちに 『 自分にとって必要な道具 』 だけを持つようになって どんどんシンプルになっていったそうで
僕自身もカメラマンとして歩みだした頃と 今では意識や感覚だけでなく 使う機材も少しずつ変わっていったことで お話を聴いていてとても共感しました。
要はお金をかけて高価な道具を使ったら 良い仕事ができるわけではなく
『 自分の感覚に合ったモノを使うこと 』 が 良い仕事へと繋がるという発想なんです。 |
|
|
下地材に傷をつけないための下敷きテープや 絆創膏的な役割をする和紙テープなどを使い分け クロス貼りの作業を進めていく岡田さんですが
中には作業効率を優先して そういったモノを使わない職人さんもいるそうです。
岡田さんが目に見えない部分にまでこだわり そこまで丁寧にやる一番の理由は リフォーム総合会社で 美装 ( ハウスクリーニング ) の経験があったからだそうで
ひとつひとつの作業に手間をかけることで問題がなくなっていき それが結果的に迅速な施工に繋がっていくという 確信的な答えに辿り着いたんだと感じました。 |
|
|
元々あったクロスを剥がして こうやって新しく貼り変えるのに約3日間・・・ 無事に完工しました。
クロス職人さんの腕の良し悪しを 僕たちのような一般的な人間が判断するのに 一番のポイントはジョイント部分ですが
壁と壁の段差や折り返し、水道の蛇口など 何気ない部分にこそ 職人さんの腕や気持ちの差が出てきます。
貼り終えた後はコークなど使って仕上げをし 日を変えることで見え方が変わるため 次に日に再度 現場に足を運んでチェックもするそうです。 |
|
|
トイレのタンクの裏側など狭い箇所も 作業がしにくいからこそ普段以上に気を配る必要があり
クロスのひとつひとつに岡田さんの これまで培ってきた技術や経験 こだわりや想いなどが宿っているように感じました。
はじめはぎこちなかった岡田さんですが みんなでお酒を飲むのが好きであること 料理といった家事も好きであることなど
作業が終わるころには 一人の職人さんとしてだけでなく 一人の人間として そんな岡田さんらしさが見えていました。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
|