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秋雨前線の中休みで晴天に恵まれた今日 大阪府豊中市を拠点に活動されています 大工職人 市橋さんの ベランダの波板の張り替え修理工事の取材のため 大阪府池田市のお宅に伺いました。
こちらは先日の台風で波板の一部が飛んでしまい 約束の時間に到着すると 古い波板はすでに外された状態で下準備ができていて 市橋さんと挨拶がてら少しお話をして 早速 波板張り替え工事の始まりです。
まずは前の波板を取り付けの際に使っていた 古くなってサビた釘を一本一本抜いていきます。 |
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釘が抜き終わると 新しい波板をベランダに運び込んでいく市橋さん。
今回使用する波板はガラス入りの 変形・変色しにくい素材でできているそうです。
市橋さんはこの道30年の大ベテランの大工さんで これまで培った経験と技術がしっかりある為 作業も自然と余裕があり、物腰も柔らかくて 初対面にもかかわらずとても話しやすい方で
こちらが尋ねたいことを先にいろいろお話しくださったことで 取材がスムーズに進んでいき このオーラがお客様に安心感を与えるモノだと思いました。 |
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5〜6枚分の波板をベランダの枠にはめ込んでいき 重なり合う波板の山を均等に揃えながら 先端の面のひとつひとつをキッチリと合わせていきます。
市橋さんはこういった細かな部分のひとつひとつに 妥協しない姿勢で臨み続けることこそ
住む人の安心・幸せに繋がっていき これまで数多くの現場を通して気付き確信になったことで 大工職人として大切な心構えだと仰っています。 |
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池田市ということで空港が近くにあり 作業中は何度も飛行機が行き交う音が鳴り響くという 僕にとっては慣れない環境でしたが
この地域で活動されている市橋さんは 夏の蝉が鳴いているかのような当たり前といった感じで 淡々と作業を進められていきました。
二階ベランダということで脚立を使っての高所作業でしたが 市橋さんは決して無理のない範囲で 安全かつ丁寧な仕事を心掛けられています。
『 若いころのようにできない部分 』 と 自身の肉体的な変化を理解しつつ
『 経験を積んだ今だからこそできる部分 』 と 精神的に向上したモノを活かした施工をされているように感じました。 |
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祖父が宮大工さんで お父さんは宮大工を経験された後、大工さんになられ そんな環境の中で市橋さんは育ってこられましたが
高校卒業後、お父さんの下では働かず 独学と現場を通して大工職人としての道を歩まれて来ました。
まったく大工のことを知らない中で 知識や技術、経験を積んでいくことは並大抵のことではなかったと 仕事が終わっても時間を作っては 参考書やパソコンを使って日々勉強されたそうです。
出来る限りのことをやってきたつもりでも それでもできないことがあると 大工職人の奥深さを30年経った今でも実感されています。 |
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今日は晴天に恵まれ 午前中とあって日差しが照りつける暑い中での作業で 『 もっと涼しいかと思って長袖着てきたのに・・・ 』 と タオルで汗を拭いながら話す市橋さん。
休憩中にもいろいろお話し頂いた中で 昔気質の良い大工が少なくなってきた現状については 今後もっともっと減っていくからこそ これから大工道を歩もうとしている人には
今仕様の大工の仕事だけでなく 昔の木造建築の仕組みを勉強していかないと リフォームやリノベーションなどの 改装や改築など本物の仕事がキッチリできないと。
それには選ぶお客さん側も 大手ハウスメーカーというブランド名だけで安心感を抱かず 結局は現場でやるのは各職人さんだからこそ しっかりとした目利きで選ぶことが必要だと強く感じました。 |
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波板を並べ終えると そこから一本一本釘で留めていきます。
作業中に撮られるとあって 慣れない中でもこちらの要望・質問にいろいろ応えながら 着実に作業を進めていかれていきました。
市橋さんは施工される上で 大工としての技術や精神面だけでなく
近隣との触れ合いや現場の清掃など 様々な人たちとの信頼関係を築いて
周りの環境に配慮してこそ良い仕事ができるという 人としての部分もとても大切にされています。 |
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市橋さんと僕と、話し好きの二人だったため ついついいろいろと話し込んでしまい 波板の張り替え修理工事がお昼を少し回ってしまいましたが
取材を通して市橋さんから 生業というモノ教えていただいたように感じました。
今回の取材は波板の張り替えでしたが こちらのお宅は水回りのリフォームから 細かなことまで市橋さんが手掛けられているそうで
修理や補修だけではなく大工仕事のことなら何でもできますと 大阪府豊中市から吹田、箕面、池田、茨木 兵庫の尼方面で何かお困りの方は ぜひ一度、市橋さんにお気軽にご相談ください。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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