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01:取替え前の玄関上がり框とフローリングの状況
今回は、京都市北区の「井上工務店」の大工・井上文孝さんのリフォーム修復工事を取材しました。 玄関上がり框とフローリング張りの一部分が痛んでいたので、框の取り替えと床下地、フローリングの張り替え工事を行うことになりました。 |
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02:合板の床下地を覆うフローリング張替え工事
フローリング素材は、無垢のナラ材を選ばれていました。床下地の上に75mm幅15mm厚の木材を敷き詰めて仕上げると、木肌の仕上りがムックリとしてきれいになるのだそうです。 床板を張るには、しっかりした框に続き、1本の大引が5本の根太を受け止め、その上に基礎となる12mmの床下地を用意されていました。 |
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03:フローリング張りの準備
框に合わせてフローリング材の張り込みを開始するのですが、割り付けにより張り終いの残り幅を配分して仕上りをきれいに見せるそうです。張り終いの残り幅がフローリング材幅の1/2以下だと張り出しと張り終いで細い幅のものを用意するそうです。最初の割り付けが、仕上りにとても影響しそうです。 細い幅のものを加工するには、長い材料をまっすぐに切るための丸鋸定規を用いて、円滑な作業が進められるように工夫されていました。 |
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04:フローリング張りの採寸
作業には、さしがね、卓上丸鋸が活躍していました。 何度もさしがねで採寸し、丸鋸の刃厚の1/2ほどの幅を残し木口を合わせます。また、仕上りを想定して、木材の裏面から鋸刃を入れてられるそうです。 無垢材のフローリングを張るには、丁寧な採寸が仕上りの要になるようです。 |
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05:フローリング張りのリフォーム行程
フローリング材に実(さね)がついているので、メス実とオス実を合わせます。 接着には、しっかり接着する接着剤を使用し、松のような堅い木材で拍子木のようにフローリングを軽く叩き込みます。 合板材は隙間無く詰めて繋げるそうですが、無垢材は気候の変化から生じる木材の膨張を考慮してハガキ厚ぐらいのスペーサーを使用して隙間を残しておくそうです。ただし、床暖対応の無垢材は、乾燥仕上げがしっかりとしているため気候影響が少ないようです。 高圧フロアタッカーの打ち出すステップルで木材を固定し、この行程を繰り返します。 |
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06:フローリング張り・張替え作業中の細工
張込みの途中には、さまざまな工夫が必要となります。 壁際の細部では、隙間なく密着するように計測を繰り返し、フローリング材に細工を施します。手入れされた道具により、細かい作業でもストレスが無いように手際良く加工されていきます。 |
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07:フローリング張りの仕上げ
ついにフローリング材幅より狭く細長い部分が残りました。75mm幅の材料1枚を張り込むことができないので、残り幅を採寸し、必要な幅材を切り出すために丸鋸定規が活躍しました。 張り終いの部分は、狭くて道具が使いづらいため、フローリングの固定にはフィニッシュ(高圧仕上げ釘打機)で針釘を使用します。 |
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08:玄関床板修理のリフォーム完成
お客様や家人をお迎えするリーフォムされた玄関から大工・井上さんの「粋と暖かさ」が感じられるようでした。 井上文孝さんは、京都市北区の深泥池にある井上工務店の二代目大工さんです。 15年間の修業時代には、茶室等の施行工事に携わってこられ、建築二級の資格を取得されています。 昭和59年から30余年間使用されている自作の道具箱には、目の届く仕事をモットーとされていることが垣間見られました。ひとつひとつの作業にすぐに役立つように工夫された自作道具も潜んでいました。
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