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今回、ご紹介するのは、東京都足立区の造園業「ハヤブサグリーン」の吉住太郎さん。 従業員の齊藤さん、波梛(はな)さんと3人でチームを組んで、植木の伐採・伐根・剪定・植栽・移植から、庭・花壇づくり、さらには土間打ちなどの外構工事全般を手がけています。
出張範囲は、都内を中心に関東一円。 実績でいうと、都内と、それ以外の6県が、ちょうど半々くらいとのことです。
この日の現場は東京都足立区の一般住宅。 施主の方にはもちろん、近隣に住まわれる方にも挨拶をすませ、朝9時ごろから作業に入りました。 |
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写真は現場の様子。 決して広いとは言えないお庭に、高さ10m、直径50cmほどのネズミモチの木が立っています。
施主曰く「樹齢30年以上」とのことですが、ここまで育つと、素人では手入れができません。 日差しも風通しも悪くなってしまったので、思い切って伐採することにしたそうです。 併せて、お庭の一番奥に植えられているサザンカも剪定することにしました。 |
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伐採するネズミモチに御神酒を行なう吉住さん。 これまでお庭を守ってくれた木に感謝の心を伝えてから、伐採作業に入ります。
トラックからアルミ製の大きな三脚(脚立)を運び込んで、ネズミモチの木に立て掛けるように設置。 三脚は高さの異なるものをふたつ、用意してありました。
枝や幹を切るためのチェンソーは、小型・中型の2台。 ほかに剪定用ノコや剪定バサミを使って伐採作業を進めていきます。 |
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「狭い現場では丁寧に作業しないとならないんです」と吉住さん。 施主のお宅や隣家に伐採した木がぶつかるなどしないよう、一気に幹を切ることはせず、細かい枝を払うことからはじめます。
払った枝をこまめに運び出すのは、主に齊藤さんの仕事。 現場が狭いため、すぐに落とした枝でいっぱいになってしまうのです。 お庭を常に片付いた状態にしておくことは、作業の効率を上げ、安全性を確保するためにも大切です。 |
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太い枝を足かがりに、すいすいと木のてっぺん近くまで登っていく吉住さん。
身の軽さは、造園業専門で独立する以前に経験した鳶の仕事で身につけたもの。 落下防止の安全帯で体を確保しつつ、小型のチェンソーで枝をカットしていきます。
枝は、薄皮一枚残すような感じで切り、最後はノコなどで切り落とします。 チェンソーで一気に切り落とすと、枝が落ちる場所をコントロールできず、危険なのだそうです。 これも狭い現場で求められる気遣いですね! |
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切った枝はトラックに積み込みます。 枝はかさばるので、すぐに荷台がいっぱいになってしまうのでは?と思いましたが、チェンソーで細かく切れば、この通り。 今回伐採する、高さ10mのネズミモチの木なら、まったく問題なく載せられるそうです。
吉住さんと齊藤さんが枝を運び出している間、波梛さんはチェンソーに燃料を補給。 3人のチームワークで、効率良く作業を進めます。
ちなみに、作業スピードの速さも、吉住さんのセールスポイント。 今回の作業くらいなら、1日2、3件こなすこともあるそうです。 |
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細い枝が払われて、かなりスッキリしてきました。 吉住さんは片手でチェンソーを握り、上部の幹をスピーディにカットしていきます。
細かくカットするのは、やはり現場の狭さゆえ。 広い現場であれば、根元から切り倒し、あとでトラックに積みこめるサイズにカットすればいいのですが、ここではそうはいきません。
切った幹を落下させるのもNG。 落ちた勢いで跳ね、お宅や外構にぶつかる可能性があるからです。 時間はかかりますが、1本ずつロープを使って下ろさなければなりません。 |
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太い幹は、重量もかなりのもの。 吉住さんと齊藤さん・波梛さんが力を合わせて下ろしていきます。
このあたりで吉住さんはチェンソーの手入れ。 歯をひとつひとつ研ぐのは面倒な作業。 時間的にもロスするように思えますが、常に切れ味をよくしておかないと、かえって作業のスピードが落ちてしまうんです。 |
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伐採作業も大詰め。 太い幹の根元をカットします。
手入れしたチェンソーは切れ味抜群。 太い幹も難なくカットしていきます。
根元ギリギリまでカットして、ネズミモチの伐採は終了。 きれいな切り口が、吉住さんの丁寧な仕事ぶりを表しています。
ちなみに、吉住さんは伐根も請け負っています。 ただし、作業時間もコストも、かなりかかってしまうとのこと。 今回は施主の予算に合わせて、伐採するにとどめたそうです。 |
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ネズミモチの伐採が終了したところで、サザンカの剪定作業。
波梛さんが遠目でバランスを見て、吉住さんに切るべき枝を伝えます。 ずいぶんとさっぱりしましたね!
細かい枝は、波梛さんが手でかき集めて処理。 丁寧な仕事ぶりは女性ならでは、ですね。 |
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作業が終わったら、お庭の清掃。 熊手やブロワーを使って、もとから溜まっていた落ち葉なども取り除きます。
気を遣いながら作業したとはいえ、払った枝や葉が隣家に落ちてしまうのは仕方がないこと。 隣家の庭や、雨どいに詰まったゴミも取り除く念の入れようです。
施主も「仕事が丁寧で助かります」とおっしゃってましたよ! |
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作業が終了したお庭。 作業前と比べると明るくなり、風通しもよくなって、ジメジメした感じがなくなりました。
ちなみに今回の作業、料金はおおよそ10万円とのこと。 もちろん、現場の状況や伐採する樹木の大きさ・種類などによって変わりますが、造園業者としては、かなりリーズナブルな料金といえるのでなないでしょうか。 吉住さんは外構工事などもこなすので、いくつかの工事を同時に依頼すれば、より経済的になりそうです。
現場の規模の大小を問わず、急な依頼にも対応可能。 見積もり無料とのことですので、一度相談してみてはいかがでしょうか?
取材・文=加藤康一(Freewheel inc.) |
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