|
|
今回の取材は東京都小金井市のダイノックシート貼り職人の平山さんです。 業者さんは良くご存知ですがダイノックシートは一般の方には馴染みのない呼び名ではないでしょうか?!また、ダイノックシート貼り専門の職人さんもまだ少ないそうです。
ダイノックシートとは3Mジャパン社の商品名です。 正式名称は硬質塩ビタックシートと言います。裏に粘着剤が付いた化粧フィルムシートです。他のメーカー制もありますが今は総称としてダイノックと呼ばれているようです。 ステープラーが日本ではホチキスと呼ばれているような感じでしょうか、、、。
今日の現場は練馬区のアパートのキッチン戸棚をダイノックシートで上貼りしていきます。 このように賃貸住宅の原状回復にはダイノックシート貼り専門の職人さんは欠かせません。
|
|
|
今回、上貼りのフィルムは明るい色調の木目を選びました。 最近は木目を横目にするのが流行りだそうですが今回は既存と同じく縦目に張ります。
先ずはフィルムを貼る前の大事な下地の処理です。開き戸を外し丁寧に埃を掃い汚れを拭き取ります。 |
|
|
開き戸の化粧フィルムの欠けた部分を平らに形成していきます。このような合板には良く見る欠けですね。ダイノックシートのようなフィルムを貼ればこのように欠ける心配はありません。見た目は化粧合板のフィルムと同じに見えますが耐久性に優れ伸縮性があり傷も付きにくい優等生のフィルムです。
欠けた部分に市販のジェル状アロンアルファーを乗せてヘラで軽く均し速乾スプレーで固め、サンダーをかけて平らに形成します。 |
|
|
表面を手で撫でて小さな付着物が有る場合は丁寧にもう一度サンダーをかけます。小さな物でもフィルム表面に写ってしまいます。
合板の部分が剥がれたり水分を吸収してフカフカになっている部分は小さな箇所なら液状のアロンアルファーを木に染み込ませ固めてしまい乾燥後に平らに形成します。
このような下地の形成処理は平山さん自らが考え出した工夫だそうです。 美しいダイノックシート貼りの仕上がりには大切な作業ですね! |
|
|
サイズを測りいよいよカッティングです。 カッティングマットは画像では見えませんがやはり平山さんが工夫したマットです。
作業を進める中、ダイノックシート職人になった経緯を伺ったら、 「貼れちゃったから。」と一言。初め大手建材メーカーさんの臨時のお仕事に応募されて行き成りダイノックシート貼りの仕事を任されたそうです。 普通はなかなか上手くは貼れないところ初めから上手く貼れたのがこの道に進む切っ掛けになったそうです。
|
|
|
戸棚側面は貼りっぱなしで付き代はありません。3分の1くらいの位置にガイドカッターで剥離紙を切り上部の位置合せをしてスキージーを使って貼っていきます。
平山さんの場合、大きな壁面の場合は半分の位置(中央)から貼っていき上下に空気を追い出していくそうです。ただ、一発で貼らなくてはならないので特に大きい面積の場合は熟練の技術が要求されます。 |
|
|
扉部分は下辺部分は見えるので付き代を作ります。このような小口の部分にはフィルム密着性を高める為にプライマー(接着の補強液のような物)をウエスを使って塗っていきます。
巻き込み部分の最後の仕上げはカッターではなく面取りカッターで滑らかに仕上げます。
取材中はまったく気が付かなかったのですが、画像を見て右手と左手を両方共に器用に使っている事に気が付き驚きました!
|
|
|
扉の角も一枚板のように綺麗に仕上がりました! キッチン戸棚の柄が明るく変わっただけで気分も変わりますね。
今回は業者さんからの原状回復の依頼でしたが持ち家であれば予算に応じて同時にレンジフードやシンクの白いフロアーキャビネットもお揃いで上貼りすればガラリとイメージが変わるのではないでしょうか!?
キッチンリフォームをお考えで興味を待たれたら、どうぞ!お気軽にお問い合わせくださいませ!! |
|
|
◇仕事道具にも平山さんオリジナルの工夫が◇
平山さんは独自の工夫で下地処理の修繕も行ないますが道具にも工夫を凝らしてます。
◎カッティングマットは45cmほどのマットを3枚繋ぎ合わせて携帯に便利な折りたたみ式にしてます。
◎サンダーはコンパネを適当な大きさにカット。その一辺を奥の隅々まで綺麗に磨けるように鋭角にカットして片面にはクッションのスポンジをはり柔らかく仕上がるように工夫しました。
ポキット君とカドっ子ちゃん こちらは市販のツールですがネーミングが面白いのでご紹介します。ポキッとカッターの刃を折るポキット君。平山さんは何べんもカッターの刃を折って交換してました。一般的には一回の作業でカッターの刃を交換する事は殆ど無いのでは!?それだけフィルムが強固な物なのでしょう。面取りカッターのカドッコちゃんも可愛いネーミングです。 |
|