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こちらのダンディーなおじさま。 今回の工事を依頼されたお客様ではありませんよ。
この方は今日 取材させて頂きます 株式会社マルジョウ住建 代表 であり 大工職人でもある大口さんです。
この日は僕の地元 宇治から約800km離れた 宮城県仙台市にあります 高層マンション一室での内装リフォーム工事です。
大口さんは宮城県大崎市を中心に 北は栗原市・南は白石市まで対応可能ということで ええ職人.COMとして東北はまだまだ未開拓の地。
これから少しずつ拡大していき 全国様々な職人さんをご紹介していきたいと思ってます。 |
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一週間ほど前に着工されたということで お部屋の和室を洋室にするために 壁をぶち抜いたり、各部屋のカーペットを外したりと 解体作業で2日かかったそうです。
そして取材にお邪魔させて頂いたこの日は 大口さんが出来上がったばかりですと テレビやパソコンなどが置ける長机の台のご説明を。
約4メートルの長板の木が使用されていますが マンションとあってそのままでは運び込むことができず 半分の長さに切ってこちらに設置されたそうです。
ダボも既製品のモノを使わず 机とは違う色に替えることでアクセントにし 机台の上と下にはコンセントを取り付け。 |
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台机に一枚板を使用することで生じる 軋み、歪みを無くすため 補強材が取り付けられていますが
木の接合箇所であるジョイント部分が目立つため 専用の削り器を使ってこうやって手で押さえながら 真っ直ぐなライン溝を入れることで ひとつのデザインのようにされたそうです。
これらはお客様のご要望ではなく 大口さんの判断による細かな心遣いです。
ただご依頼されたことを形にするのではなく そうやって大いに工夫することが 大口さんによる大工職人としての真骨頂です。 |
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製作途中だという本棚にも そんな大口さんの細かな工夫が施されています。
本棚の組み立てにビスを使うと 確かに強度は高まりますが ビス穴ができてしまって 見た目の良さが損なわれると判断した大口さんは
ダボを均等に配置することで 安全かつ部屋の雰囲気に調和した 自然な形の本棚を実現されました。
わざわざ建具屋さんに机や本棚を頼むより リフォーム工事の中で並行してできると 自信を覗かせておられました。 |
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この取材日の午後からは 部屋のフローリング材の貼付作業です。
今回使用するフローリング材は 防音、断熱効果があって床暖房にも対応し 底にクッションが施されたモノ。
それを床にラインマーカーで線を引き 一枚一枚貼っていくのです。
ご紹介が遅れましたが 現場マンションに入りますと大口さんの奥様もいらっしゃり 数カ月前から現場で準備をしたり 施工中のサポートなどお手伝いをされています。
ときどき地元、楽天の応援でプロ野球観戦にも ご夫婦一緒に行かれるそうです。 |
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大口さんは25歳のときに設備から外壁 そして30歳のときに あれこれ頼まれるようになってきたことで 大工職人としても活動されるようになり
設備関連の経験もあることで 水回りや電気のこともお任せの オールマイティな大工さんでもあります。
『 この仕事が大好き 』 だと 何の迷いもなく言えるその言葉の中には
僕が写真に対して感じる 少年のような純粋な気持ちが大口さんにもあるように
『 趣味以上 仕事未満の感覚 』 だからこそ 単なる仕事と割り切らず 常に新しい何かを追い求めている姿勢に繋がっているように感じました。 |
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大口さんの仕事ぶりはとにかく緻密です。
このようなフローリング材の貼りつけの場合 はじめがズレてしまうと見た目が悪いだけでなく 仕上げの部屋の隅の部分の貼り付けで大きな影響が出てくるため
そのことをよく知る大口さんは 黙々と作業を進めながらも 丁寧かつ確実に一枚一枚貼っていかれていました。
その場で見ている僕からすればホント気が遠くなるような 集中力が一切抜けない作業で 大口さんのその姿勢にただただ感動してました。 |
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今まで何気に見ていたフローリング。
今回の一枚タイプのモノだと 実はこうやって職人さんが ひとつひとつ手作業で貼っておられるのです。
仕上がり具合も抜群。 ジョイント部分のラインがキッチリと真っ直ぐで それは一種のアートのようです。
大口さんは独学で大工仕事をマスターされてきたそうで それは仲間内での何気ない会話からヒントを得て 現場で試行錯誤しながら 独創的なアイデアを今も模索されているそうです。 |
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尽きることのない探求心と向上心。
この仕事への情熱と誇り。
何より好きだということが大口常宜という ひとりの職人を支えている糧になっているように感じました。
冬空によって辺りが薄暗くなってきても 途切れることのない集中力。 大口さんの作業はまだまだ続きます。
後日、こちらの大口さんによる 内装リフォーム完成の模様を追記致しますので どんなカタチになるのかお楽しみに。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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※ 追記
後日、リフォーム完成後の写真を 大口さんに送って頂きました。
こちらは元々和室だったのを洋間にリフォーム。 |
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テレビや家具などが運び込まれた写真も お客様に送って頂きました。
こちらの家主様はええ職人.COM で大口さんを知り ご依頼されたそうです。
大手ハウスメーカーに頼んでも 現場でやるのは職人さんです。
だったら直接頼んだ方が断然おススメです! |
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