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岩手県一関市にやって来ました。
今回は一関を拠点に北上市・水沢市 宮城県登米市・気仙沼市・栗原市と活動されています 『 熊谷技研 』 の大工さん 熊谷秀亀さんによる キッチンカウンターの内装工事です。
この日は着工して2カ月の新築工事の途中にお邪魔して キッチンカウンターの木タイルを張る施工の取材をさせて頂きました。
お昼過ぎに到着してご挨拶をすると 早速作業に取り掛かれた熊谷さん。 |
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熊谷さんは 新しくええ職人.COMへ登録された職人さんで 7人兄弟の末っ子で兄弟のうち4人が職人さん。
10歳年上のお兄さんが初めて両親の家を建てられた時 当時、10歳だった熊谷さんは そのお兄さんの仕事ぶりと完成した家を見たときの感動が 今でも記憶の中で鮮明に残っていて その憧れから自分も大工職人になりたいと決意され
中学卒業後、大工の専門学校へ行って 本格的に大工業務を学ばれました。 |
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20歳から幾つかの工務店を渡り歩きながら 23歳で結婚、27歳の時に長女が生まれ 満を持して30歳のときに独立。
初志貫徹で大工道を歩み続け、年間10棟前後。
キャリア45年目となる今までに350棟以上の家を施工し 2011年に東北を襲った震災のときは 復興住宅にも携われたそうです。 |
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地震の規模が規模だけに 地方からも多くの職人さんが現地に来られ 少しずつ復興が進む中
震災の影響で場所によっては 住宅の強度を高める為の施工方法を行ったりすることで 地震の揺れに十分対応できると自信を覗かせておられました。
これまでの大工人生で印象深かった出来事を尋ねると 35歳の時に初めて一軒家の新築を建てたことで
とにかく大変だったけど 出来上がった家を見たお客様が喜ばれた姿に 今までにない達成感と満足感があったそうです。 |
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合間にいろいろとお話していただいている内に 作業はどんどん進んでいきます。
そんな熊谷さんの今の趣味の1つがガーデニング。
大工さんの技術を活かして ご自身でお花を植える場所を作ったり ボランティアでもそのようなことをされていて 人との触れ合いもあって、とても楽しいそうです。
そしてもうひとつが14年間続けている能楽。
元々、出身の宮城で歌をされていたそうで 一関に来てから踊りもするようになり
今は亡きお師匠さんにもずっと指導を受けるほどされていて 上棟式や娘さんの結婚式のビデオレターでもご披露されたそうです。 |
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僅か2時間もせずカウンターの木タイル貼りが完成。
今回は、スモークヒックリーという木材で 新築の中にちょっとレトロな雰囲気が生まれました。
実際に完成したモノを間近で拝見させていただきましたが 一枚一枚がキッチリとはめ込まれていて
何気なく作業されている姿の中に 熊谷さんが培ってきた業が光っていました。 |
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これまで真面目な顔ばかりで 笑った写真を撮ったことがないと仰ったので 作業が終わって談笑中をパチリ。
確かに普段の熊谷さんは 真面目で少し堅い感じの印象ですが 話すとご覧の通り 何でも気さくで気楽に話せる雰囲気を持っておられ 『 この歳になってまた仕事が楽しくなってきました 』 と
父親としての顔 大工職人としての顔 ガーデニングや能楽をしているときの顔などなど 様々な顔を持っておられる熊谷さんでした。
取材撮影&文 : とくおか じゅん |
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